慎しみの中にある美しさとは




実用印章は篆刻と違い、「誰が持ってもどんな場面での押印でも恥ずかしくない印」を彫刻しなければなりません。これは書道や絵画などの落款や篆刻の世界とは少し違った概念かもしれません。篆刻は古印を探求しそれを消化し、作品への再構築を行い最後に自己表現するといった過程を踏む必要があります。しかし、実用印章はあくまでも基本に忠実に、職人の色や味、癖を出し過ぎないといった慎みがある中での美しさを求めなければなりません。この考えは、実用印章に携わる恩師の姿から、常に感じる部分でもあります。

印章は、国家・団体・法人・個人がお互いの「意思」や「責任」を確認し合う日本人にとって「信用」を示す大切な必需品であり、西暦701年大宝律令の「天皇御璽(天皇の印章)」から脈々と受け継いできた文化でもあります。

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