効力がある印鑑証明

諸外国ではサインの文化が一般的であるのに対して日本は印鑑の文化が定着しています。その象徴ともいえるのが印鑑証明の存在ですが、そもそも必要性が分からないという人も少なくありません。マイホームの購入をはじめとして重要な取引を行うときは、公的に正規のものだと認められている印鑑を使うことを求められます。その印鑑のことを実印といい、印鑑が実印であることを証明する手段が印鑑証明というわけです。言い換えると、これを行っておくことで、間違いなく本人の印鑑であるという第三者の証明を受けることが可能になります。

そこまでする必要があるのは、重要な取引が本人の意思で行われたことを明らかにするためです。たとえば、不動産や自動車を購入した場合、資産として国に正確に把握してもらう必要があります。そのために、購入者の名義で公的な機関に登録しなければなりません。そのデータにより固定資産税などの徴収が行われることになります。したがって、厳密に管理することが必須であり、間違っていると大きな問題になるのは間違いありません。登録したものがもし本人のものでなかったり、本人が知らないところで勝手に登録されていたりすると大変です。

そのような事態を避けるため、本人がきちんと認識して取引に合意したことを保証する仕組みが必要となります。誰でも入手できるような印鑑ではそのような保証はできません。わざわざ役所にいって手続きをしたという事実により、実印は貴重品として本人以外の手に渡ることはないという前提になっています。このような認識となっているため、実印が押されていることで確実に本人の意思による取引だと証明されるのです。また、押印により法律的な義務もしくは権利が発生することになります。たとえば、連帯保証人として押印すると自分にも債務が生じてしまいます。大金が絡む取引でよく用いられるため、事業で融資を受ける場合にも必要とされることが多いです。


印章は、国家・団体・法人・個人がお互いの「意思」や「責任」を確認し合う日本人にとって「信用」を示す大切な必需品であり、西暦701年大宝律令の「天皇御璽(天皇の印章)」から脈々と受け継いできた文化でもあります。

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